S-1.開発テクニック・コーディング規約

わかりやすいコードを書く

まず、プログラミングにおける基本的なテクニックについて説明します。
ポイントは「わかりやすく、シンプルに、無駄を省くこと」です。

もし、自分ひとりで完結するシステムを開発するのであれば、コードの見やすさはそれほど重要でないかもしれません。
しかし、チーム開発や他人が関わる場面では、説明しなくても伝わる・見やすく理解しやすいコードを書くことが求められます。   

なぜ「わかりやすさ」が重要か?

それは、バグや不具合の原因が見つけやすくなり、運用後のメンテナンスがしやすくなるからです。

以下は、見やすいコードを書くためのポイントです:

  • 共通関数の活用
     → よく使う処理を部品化した関数。再利用性が高くなります。
  • モジュール化
     → 特定の機能を持つ構成単位を「モジュール」として分けることで、再利用や保守が容易になります。
  • わかりやすい定義名
     → 変数名・メソッド名には意味が伝わる名前を付けましょう。

また、フロントエンドのコードは、SEO(検索エンジン最適化)にも関係します。
Googleなどの検索エンジンのボットは、整理された構造的なコードを正しく理解しやすく、それが検索順位の評価に影響することもあります。

💡補足すると…

特に以下のような点がSEOにおいて重要です。

  • titlemeta description の適切な設定
  • 見出しタグ(<h1>〜<h6>)の正しい階層構造
  • alt属性など画像のテキスト説明
  • HTMLのセマンティックなマークアップ(例:<article><section><nav> などの適切な使用)
  • JavaScriptで生成されたコンテンツでも、Googlebotが読み取れるように構造を意識する

 

エラーについて

システムエラーを防ぐ

コードを書くうえで、システムエラーを起こさないことも重要です。

システムエラー
 → システムがハングアップしたり、正常に動作しなくなること。

システムエラーはアプリの致命傷です。 

こうしたエラーを防ぐには以下の工夫が必要です。

  • バリデーション(入力チェック)を行う
     → バリデーションとは、入力内容が正しいかどうかをチェックする仕組みのことです。
    例えば電話番号を入力する際、本来は半角数字で入力・登録する必要がありますが、ユーザーが誤って全角数字を入力してしまうことがあります。
    このような場合、全角の電話番号では保存できないため、バリデーションによって「正しい形式で入力してください」と警告を出す必要があります。
  • データベースへの登録や更新処理には try/catch を活用する
     → try/catch とは「例外処理」を行うための構文で、予期しないエラーが発生した際に、システムの処理を意図的に中断・回避するために使います。
    例えば、データベースへの登録中にネットワークトラブルなどが起きても、try/catch を使っておけば、画面が真っ白になるような致命的なエラーを防ぎ、ユーザーに適切なエラーメッセージを表示することができます。

バグとエラーの対策

分かりやすいコードを記載するにあたって、バグやエラーへの対策も必要です。​ 

  • バグ
     → バグとは、プログラム内で機能に不具合を引き起こす問題や誤りのことを指します。
    バグが発生した場合、デバッグ(バグ修正)を行う必要があります。
    デバッグを効率的に進めるためにも、できるだけ早くバグを発見し、原因を特定することが重要です。
  • デバッグ
     → デバッグとは、プログラム開発中に発生した論理エラーや設計ミスなどのバグを見つけて、修正する作業のことを指します。

バグ修正後は「バグフィックス」としてバージョンを更新し、エラー箇所をログに記録します。
エラーログやアクセスログは再発防止のための重要な手がかりになります。

また、手打ちミスを防ぐためにコピー&ペーストを活用したり、統合開発支援ツール(IDE)を使って、誤字を自動補完させる方法も効果的です。

コーディング規約を守ろう


また、コーディング規約を守って、見やすいコードや分かりやすいコードを記載することも重要です。 

  • コーディング規約
    → コーディング規約とは、複数のプログラマーがソースコードを作成する際に、プログラムの品質を均一に保つために定められたルールやガイドラインのことです。

コーディング規約を守ることで、コードの統一感が生まれ、他のプログラマーが解析しやすくなります。
バラバラなコードは、バグの原因になったり、複雑で理解しづらいコードを生む可能性があります。

これにより、保守性品質の向上が図れるので、しっかりと理解し守ることが重要です。

規約にはどんなものがある?

コーディング規約にはいくつかの種類があり、プログラミング言語ごとに標準規約があります。例えば、JavaにはJavaのコーディング規約があり、PHPにはPHPのコーディング規約があります。

以下に、コーディング規約の例を示しますが、 プロジェクトごとに命名ルール(キャメルケース、小文字など)を決め、統一して使います。

例えば、図のような形で決め方があります。 

ただし、ifやforなどの予約語・定型文は、関数名や変数名として使わないように注意しましょう。 これにより、プログラムが正しく動作しやすくなります。

後任やユーザーへの配慮も忘れずに

コード内にコメントやTODOを記載することで、後任者が見たときもわかりやすくなります。

最終的なゴールは、「ユーザーが使いやすいアプリを提供し、クライアントの売上に貢献すること」。
そのためにも、ユーザーが想定外の操作をした場合に備えて、予測できるエラーには事前に対処し、わかりやすく伝える工夫が必要です。 

開発環境はモニター2台以上がオススメ

開発において、モニターは2画面以上が好ましいです。
多くの企業でも、開発作業時に2画面以上を使用することが一般的です。

理由としては、1台のモニターをコーディング作業に集中し、もう1台で仕様書や関連ファイルを表示しながら作業することで、効率的に作業を進められるからです。

また、ペーパーレス化が進む中で、仕様書や資料をモニターに表示し、物理的な紙を減らすことができるため、環境にも優しいです。

そのため、モニターを2台にして横に並べるなど、作業しやすい環境を整えることが推奨されます。

開発に必要なツール

アプリを開発するには、さまざまなツールが必要です。
まず、エディターはコードを書くための基本的なツールであり、テキストを編集するために使います。

ただし、普通のテキストエディタでコードを書くと誤字やミスに気づきにくく、ソースコードに統一感がなくなってしまうことが多いため、統合開発環境(IDE)が便利です。IDEは、開発に必要なツールが統合されており、コードの補完機能やエラーのハイライト、デバッグ機能などを提供して、開発効率を大きく向上させます。

さらに、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)という、ユーザーが視覚的に操作できる開発用のソフトウェアもあります。
これを使うと、アプリケーションのインターフェースを作成する際に便利です。

エディターは基本的に無料で提供されているものが多いですが、より多機能なものや拡張性を重視する場合は有料版の使用も検討できます。
例えば、Visual Studio Codeは、techUPでも使用されているエディターで、開発現場でも広く使用されています。効率よく使いこなすためには、早めにマスターしておくとよいでしょう。

ソースコードの管理も大切

アプリ開発では、複数人で協力して作業するため、ソースコードの管理が非常に重要です。
そこで活用されるのが、以下のツールや仕組みです。

Git(ギット)

  • Gitは、プログラムのソースコードの変更履歴バージョン管理を行うためのツールです。開発者がコードを修正したり、新しいコードを追加したりすると、その履歴がGitに保存されます。これにより、過去の作業内容を追跡したり、誤って変更を加えてしまった場合に以前のバージョンに戻したりすることができます。Gitは分散型バージョン管理システムであり、開発者それぞれがローカルで作業した内容を後で統合できます。これにより、チームメンバーは個々の変更を独立して行いながらも、最終的には一つのリポジトリに統合することが可能になります。 

ローカルリポジトリ

  • ローカルリポジトリとは、自分のパソコン内に存在するリポジトリです。
    Gitを使うと、まず自分のコンピュータ上で作業を行います。ローカルリポジトリに変更を加えていき、作業が完了したらリモートリポジトリと同期させて、他のメンバーと共有することができます。

リモートリポジトリ

  • リモートリポジトリとは、ネットワーク上のサーバに存在するリポジトリです。
    GitHubやGitLab、Bitbucketなど、オンラインサービスでホスティングされたリモートリポジトリを使うことが一般的です。これにより、複数の開発者がインターネットを通じてコードを共有し、同じプロジェクトで作業を進めることができます。
    ローカルリポジトリで作業を行った後、リモートリポジトリに変更を反映させるためにプッシュし、他の開発者がその内容を取得するためにはプルします。

初心者と上級者の考え方の違い

アプリ開発においては、初心者上級者ではプログラムに対する視点や取り組み方に大きな違いがあります。

■ 初心者の特徴

たとえば、電卓アプリを開発する場合、初心者はまず「四則演算ができるようにする」ことに注力します。
そのため以下のような課題に直面することがあります。

  • オーバーフロー(桁あふれ)や不正な入力への対処が難しい
  • 処理が非効率的になり、動作が遅くなる
  • UI(ユーザーインターフェース)の使いやすさまで手が回らない
  • エラー処理が不十分なため、予期せぬ動作を引き起こす

つまり、「動かすこと」に意識が集中しやすく、ユーザーの視点や応用的な問題への配慮が不足しがちです。

■ 上級者の特徴

一方、上級者は「問題を未然に防ぐ設計」を心がけます。

  • エラーや不具合が発生しないよう事前にテストを行う
  • 高速で安全に動作するコードを書く
  • ユーザーが行わない操作でさえも想定して、堅牢な設計にする
  • 結果の表示は、分かりやすく・正確に伝える

さらに、上級者にはアイデアと応用力も求められます。
「動けばいい」ではなく、「人々の役に立つプログラム」を作るという意識が重要です。

■ ユーザー視点の大切さ

プログラムが人の役に立つには、次の点が重要です。

  • 結果は「早く、正確に」出力される
  • 問題が発生した場合、「なぜ起きたか」をユーザーに伝える
  • 出力結果は「誰にでも分かる形」で提示する

こうした工夫を考えながら開発を行うことで、信頼性が高く、使いやすいアプリケーションが作れます。

■ 上級者を目指すために

日々の開発でも、「将来を見据えたコード」を意識しましょう。
ただ動くものを作るのではなく、ユーザーの立場に立って、安全・快適・正確なアプリを目指すことが、上級者への第一歩です。